5月ころになると、お茶屋さんやスーパーに「新茶」と書かれた商品が並びますね。


というニュアンスの回答が多く返ってきたので、今回は「新茶にはどんな違いがあるのか?」をまとめてみました。
ざっくりした違いで言うと、下記の2点かと。
これが違うから新茶
- 摘採時期
- 成分と味
せっかく新茶を飲むにしても、その魅力を知っていた方がよりおいしく感じると思います^^
同じ煎茶でも、新茶になるとなぜか美味しい・・の秘密を知りたい方、是非読んでみて下さい。
この記事でわかること
- 新茶と一番茶の関係
- 新茶と二番茶・三番茶・番茶の違い
- 新茶の摘採時期や成分・味 など
目次
新茶の違いその①「摘採時期」
最初に紹介する違いは「摘採時期」。
新茶と名付けられるのは、摘み取られる時期が最も関係しています。
一言で言うと。
- 新茶⇒その年の一番初めに摘まれる(一番茶と同じ)
- それ以降に摘まれるお茶⇒二番茶・三番茶と呼ばれる
新茶はその年の初めに摘んだ茶葉
新茶と呼ばれる茶葉は、1年で初めに摘んだ新芽のことを言います。つまり新茶と1番茶は言い方が違うだけで同じ意味です。


茶園では、1年に何度か収穫が行われます。最初に摘まれるお茶が新茶(一番茶)、そして二番茶・三番茶・四番茶と続きます。
摘採時期をまとめると下記のようになります。
種類 | 摘採時期 |
新茶 (一番茶) |
4月下旬~5月下旬 |
二番茶 | 6月中旬~7月下旬 |
三番茶 (番茶~) |
7月末~8月上旬 |
四番茶 | 9月下旬~10月上旬 |
表の通り、新茶シーズンは4月下旬から5月下旬になります。この時期に摘採されたお茶が新茶として出荷されるというわけです。
三番茶~四番茶の茶葉が、いわゆる「番茶」「ほうじ茶」に使われることが多いです。

【豆知識】新茶と八十八夜の関係
立春から数えて、88日目にあたる日を八十八夜と呼んでいます。(毎年5月1日~5月3日あたり)
この時期になると、ニュースやSNSなどで「新茶シーズン到来!!」といった内容が飛び交います。
超介です。
日本、茶、茶、茶。
新茶シーズン到来。
20日の静岡新聞にこんな広告が出ていたのをご存知か。
家にいるのはたいへんだ。でも、日本にはお茶がある。#超介さん #静岡新聞 #SBS pic.twitter.com/js4qCPPsof— 決めた。静岡新聞SBS (@ShizushinSBS_PR) April 23, 2020
新茶の摘採時期は「4月下旬から5月下旬」のため、八十八夜はちょうど茶摘みの最盛期にあたります。このため、八十八夜になると新茶ネタが増えてくるというわけです。

新茶の違いその②「茶葉の成分」
摘採時期が違うことから、茶葉に含まれる成分が変わっています。
変わっているのはこの成分!!
- テアニン
- カテキン
新茶はテアニン増し・カテキン少な目
新茶に含まれる成分は、二番茶・三番茶以降とは少し異なります。
成分の変化としては、「甘み・旨み」を出す「テアニン」が多くなり、「渋み・苦み」を出すカテキンが少なくなります。

茶主要成分の茶浸出液への溶出特性を参考に、二つの成分の違いをまとめた結果が下表です。
種類 | テアニン | カテキン |
一番茶 | 2.1 | 16.1 |
二番茶 | 0.5 | 19.6 |
算出について
①成分含有量(乾物あたり%)を参考地としています。
②カテキンはEGC・EC・EGCg・ECgの合算値で算出しています。
表をみると、テアニンが約4倍増加、カテキンが約20%減少していることがわかります。
成分が違うのは冬の間に栄養をため込むため
新茶に含まれる成分が変わっているのは、摘採時期が変わったことにより、2点の違いがあるため。
- 冬の間に栄養を溜め続けている
- 日光に当たる期間が短い
新茶は冬の間に栄養を溜め、そのままの状態で摘み取られるため、栄養分を多く含むことになります。

また、冬の間は日光が少なくなります。
テアニンは、日光に当たるとカテキンに変わってしまう性質があります。つまり、日光が少ないとテアニンはカテキンに変わらないため、冬に溜めた栄養はテアニンが多くなるということです。


二番茶などはカテキンが多くなりますが、三番茶~四番茶などの「番茶」となると、ほとんど成分を含んでいない傾向になります。
【まとめ】新茶と他のお茶の違い
新茶と他のお茶の違いについてまとめてきました。とりあえず、下記の内容を抑えておけば新茶の理解が深まるかなと思います。
新茶とは?
- 新茶と一番茶は同じ意味
- 新茶と二番茶以降の違いは摘採時期
- 摘採時期は「4月下旬から5月下旬」でその年の最初に摘む茶葉になる
- テアニンが多めで、カテキンが少な目の茶葉になる
- 渋み・苦みが少なく、甘み・旨みが多いお茶になる
- つまり、おいしい。
新茶好きな人は、自分の好きなブランドの新茶を一年分買い込むこともあるそうです。
いろんなブランドの新茶を味わって「これだ!」というものがあれば、そういった購入方法もありだと思います^^
以上、新茶に関するまとめ記事でした。
甘めのお茶が好きな人、新茶シーズンを狙いましょう!!