この記事では、地方ごとのお茶(日本茶)の銘柄とその特徴をまとめてみました。
お茶(日本茶)銘柄まとめ | |
関東地方 | 黒羽茶(栃木県) |
猿島茶(茨城県) | |
奥慈悲茶(茨城県) | |
狭山茶(埼玉県) | |
足柄茶(神奈川県) | |
中部地方 | 村上茶(新潟県) |
ばたばた茶(富山県) | |
富山棒茶(富山県) | |
加賀棒茶(石川県) | |
白川茶(岐阜県) | |
西尾抹茶(愛知県) | |
伊勢茶(三重県) | |
川根茶(静岡県) | |
掛川茶(静岡県) | |
本山茶(静岡県) | |
近畿地方 | 宇治茶(京都府) |
京番茶(京都府) | |
朝宮茶(滋賀県) | |
丹波茶(兵庫県) | |
中国・四国地方 | 海田茶(岡山県) |
大山茶(鳥取県) | |
出雲茶(島根県) | |
阿波番茶(鳥取県) | |
碁石茶(高知県) | |
九州地方 | 八女茶(福岡県) |
嬉野茶(佐賀県) | |
くまもと茶(熊本県) | |
五ヶ瀬釜炒り茶(宮崎県) | |
かごしま茶(鹿児島県) |
生産地の気候・環境や製造方法によって、うま味・苦み・香りなどが変わる日本茶。
この記事では、そんなお茶の銘柄の特徴を簡単にまとめて紹介します。
【お茶の銘柄】関東地方のブランド
関東地方は冷涼なため、お茶の生産地としては恵まれているわけではありませんが、全国ブランドも数多く輩出されています。
黒羽茶(栃木県の銘柄)
黒羽茶の生産地は栃木県北東部に位置する大田原市須賀川地区。
品種はやぶきたを中心に栽培され、味は濃いめで、非常にまろやかな味がする煎茶。
新茶は5月下旬ころに出荷されます。
猿島茶(茨城県の銘柄)
猿島茶は、茨城県で最も生産されているお茶。
生産地は、坂東市を中心とした猿島地方。
年間平均気温が14℃と比較的温暖な地域ですが、冬は寒い北西風の影響もあって寒暖差は激しくなります。
寒暖差が激しくなると葉は肉厚に成長するため、猿島茶は深蒸し煎茶に仕上げられます。
最終的にはまろやかなコクとうまみ、そして程よい渋みが特徴となるとのこと。
奥久慈茶(茨城県の銘柄)
奥久慈茶は茨城県の北部、自然に恵まれた大子町で作られています。
お茶の生産地としては太平洋側の北限に当たる場所であるため、やや寒冷な気候の中で生育されます。
奥久慈茶は約400年の歴史を持つお茶で、今も当時の製法を活かして深いコクと高い香りをもつ高級煎茶として人気が高いようです^^
狭山茶(埼玉県の銘柄)
埼玉県入間市を中心として、狭山丘陵一帯(埼玉県西部~東京都の多摩地区あたり)で栽培されている狭山茶。
狭山茶メモ
「色は静岡香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」
とうたわれるほど、味に定評があるのが特徴。
江戸時代から続く「狭山火入れ」の乾燥処理は香ばしく濃厚な味わいを生み出します。
生産のほとんどは煎茶。
お茶の消費量が多い東京に近いこともあり、関東全般で人気が高いお茶とのこと。
足柄茶(神奈川県の銘柄)
小田原市・秦野市・南足柄市など、広い地域で栽培されている足柄茶。
最大の特徴はうまみ成分の多さ。
これは、生産地が土壌に恵まれていることが関係しています。
水はけがよく、生育に必要な全窒素と呼ばれる成分が多く含まれていることが要因です。
また、この生産地では春先に朝霧が発生するため、新芽を日光から守ることができます。
【お茶の銘柄】中部地方のブランド
寒さの厳しい日本海側と、温暖な太平洋側の二つの側面をもつ中部地方には様々な種類の銘柄があります。
日本では珍しい後発茶のひとつバタバタ茶(富山)や高級ほうじ茶として有名な加賀ぼう茶(石川)、抹茶の中でも生産量がダントツで一位の西尾抹茶(愛知)など、特徴を持つお茶が豊富です。
村上茶(新潟県の銘柄)
村上茶の生産地は新潟県村上市。
お茶の生産地としては日本海側の北限に当たる場所になります。
新潟県は積雪が多いため、1~2月は茶園が雪をかぶって真っ白になります。
このため葉の光合成が抑えられ、うまみ成分が増加しつつ、苦み成分のカテキンが少なく仕上がります。
ばたばた茶(富山県の銘柄)
ばたばた茶の生産地は富山県朝日町です。
日本では珍しい後発茶として知られています。
後発茶とは、生葉をあえて放置し酸化酵素の働きによって独特な色や香りをだすお茶のことです。
この葉で淹れたお茶をバタバタと泡立てることで、味がまろやかになり、口の中で泡がはじけて爽やかな味わいが楽しめます。
富山棒茶(富山県の銘柄)
富山棒茶は、富山県のお茶屋「藤岡園」から販売されています。
新茶の茎のみを使用し、遠赤外線火入れの使用して高品質な温度の調整を行っています。
柔らかな甘い香りと甘みと旨みが特徴です。
加賀ぼう茶(石川県の銘柄)
もはや全国ブランドとなった丸八製茶場さんの「加賀ぼう茶」。
茶の茎を原料にしたほうじ茶で、なんといってもその軽やかな香ばしさが特徴です。
スタバやローソンなどのコラボもしており、全国に愛されるほうじ茶ラテを生み出している模様(笑)
>>【丸八製茶場】加賀棒茶の最高峰「献上加賀棒茶」を飲んでみた!
白川茶(岐阜県の銘柄)
岐阜県のお茶と言えば「白川茶」。
山の恵み超たっぷりの茶葉には、甘み・旨みが凝縮されているとのこと。
飲みやすいお茶がお好きな方に!
>>上煎茶【白川茶】飲んでみた!美味しいと評判の岐阜のお茶!
西尾抹茶(愛知県の銘柄)
西尾抹茶の生産地は、愛知県西尾市周辺。
温暖な気候と水はけのよい土壌に恵まれた丘陵地帯で生産されています。
現在では、抹茶生産量のほとんどをこの抹茶を占めており、 高級抹茶の産地として非常に有名。
また、茶積み作業が機械ではなく手摘みのみで行われていることも特徴のひとつ
特徴は鮮やかな緑色、深いうま味、上品な香りとまさにいいところを凝縮した抹茶。
伊勢茶(三重県の銘柄)
三重県では、かなり広域にわたっていろいろな種類のお茶を生産しています。
これらをまとめて伊勢茶と呼んでいます。
代表的なもので言えば、
伊勢茶メモ
・四日市市や亀山市で生産されるかぶせ茶
・大台町、飯南町などで生産される煎茶や深蒸し煎茶
などがあげられます。
年間平均気温が14~15℃と、茶を育てやすい環境にあることもこれだけの規模でお茶を生産できる理由とのこと。
川根茶(静岡県の銘柄)
静岡県中部の大井川上流で栽培されている川根茶。
南アルプスと大井川の山間では、寒暖差が激しく、また濃い川霧などの影響で葉がしなやかに育ちます。
そのため仕上げられた普通蒸し煎茶は、香りや味が極上になるとのこと。
>>文字通り「極上」!秋山園【川根茶】至高の味わい飲んでみた!
掛川茶(静岡県の銘柄)
静岡県西部の掛川市で生産されている掛川茶。
深蒸し煎茶が考案された最初の地域と考えられており、摘採される葉肉が厚かったことから、深蒸しをして渋みを取るところから登場しました。
また、掛川茶は伝統の茶草場農場を受け継ぐことで知られています。
これは茶園周辺で刈り取ったすすきなどで、茶の樹の根本を覆う栽培方法のこと。
茶葉の香りや味がよくなるとされているとのことです。
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本山茶(静岡県の銘柄)
静岡市安倍川上流域が生産地の本山茶。
爽やかな香り、甘みと苦みのバランスが取れた味わいが特徴。
【お茶の銘柄】近畿地方のブランド
近畿地方は、古くから京都周辺でお茶の栽培が続いてきました。
とりわけ京都で確立された「宇治茶」の製茶法や栽培法は各地に影響を与えたとのこと。
朝宮茶(滋賀)や大和茶(兵庫)など、人気の高い銘柄が揃っているのも特徴のひとつ。
宇治茶(京都府の銘柄)
京都府宇治市とその周辺で生産されているのが宇治茶。
宇治市は古くから日本を代表とする産地として知られてきました。
宇治茶の製法を基本として、多くの人物が「抹茶」「玉露」「煎茶」などを考案してきた歴史があります。
最近では、玉露と抹茶が主流となっており、 量より質のイメージが強いとのこと。
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京番茶(京都府の銘柄)
宇治茶と同じく、宇治市が生産地。
京番茶は、宇治抹茶に使用される新芽を摘採したあと、残った葉が大きくなってから枝ごと刈り取ってお茶に仕上げたもの。
独特な煙ったような香ばしさ、カフェインやタンニンが少ないため誰でも飲みやすいことが特徴です。
朝宮茶(滋賀県の銘柄)
「香り日本一」
とも言われる朝宮茶。
香りはもちろん、上品な渋みとほのかな甘みも素敵な銘柄!
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丹波茶(兵庫県の銘柄)
丹波茶の生産地は兵庫県中東部にある丹波篠山地域。
1000年以上前から生産されていたとみられ、江戸時代には上方のお茶消費量の半分を賄っていたほど。
「丹波霧」といわれる地域特有の濃霧が起きることから、葉の光合成が抑制され、うま味成分が多くなります。
仕上がりは煎茶となります。
【お茶の銘柄】中国・四国地方のブランド
海田茶(岡山県の銘柄)
海田茶の生産地は、岡山県を代表する茶どころとして知られている美作市海田。
気温としては温暖で、昼夜の寒暖差が大きいなど、お茶葉の生産に向いている地域となります。
中でも有名なのが「美作番茶」
水色はあめいろで、非常に香ばしく、郷土色の強いお茶として人気が高いそうです!
大山茶(鳥取県の銘柄)
大山茶の生産地は、鳥取最大の茶産地である大山の丘陵地
生産地の特徴としては、 無農薬・有機農法を伝統とした茶つくりを続けているとのこと。
テーマは「安全で安心なものを提供する」
煎茶・ほうじ茶・番茶など、種類は多岐にわたります。
その中でもとりわけ人気なのが「大山みどり 抹茶入り白折」。
上質な茎茶に抹茶を加えた上級品で人気を博しています。
出雲茶(島根県の銘柄)
出雲茶の生産地は島根県東部、出雲平野の甲斐川周辺です。
出雲松江藩の第7第藩主・松江不味公が茶人としてよく知られていることもあり、現在でも島根県ではお茶の文化が盛んだそうです。
全体的にうま味が強く、若葉の香りのするお茶。
阿波番茶(徳島県の銘柄)
阿波番茶は、徳島県中部の上勝町と南部の那賀町でのみ生産されています。
通常番茶は、二番茶・三番茶の葉や茎で仕上げられますが、阿波番茶は一番茶で作られるめずらしいお茶。
お腹にやさしく、カフェインの量も少ないことから、健康茶として需要が高いとのことです。
碁石茶(高知県の銘柄)
碁石茶は、四国山地の中央部大豊町のみで生産されています。
非常に貴重なお茶としてお使われているそう。
世界的にも珍しい発酵茶のひとつであり、製造中に葉が碁石に見えることから「碁石茶」と称されているようです。
甘酸っぱい味と香りが特徴。
【お茶の銘柄】九州地方のブランド
気候が温暖なため、九州はお茶作りが非常に盛ん。
生産量だけでなく、種類も多岐にわたるのが大きな特徴です。
八女茶(福岡県の銘柄)
八女茶の生産地は福岡圏南東部の八女市が中心。
筑後平野の南に位置するこの一帯は、温暖・昼夜の寒暖差・霧の発生など、お茶の栽培に適した環境が揃っています。
煎茶、かぶせ茶、玉露などが生産されている中で、主流は煎茶になっているとのこと。
玉露の生産量はなんと全国一位!「星野茶」など全国的に知られるものが多いようです。
嬉野茶(佐賀県の銘柄)
嬉野茶の生産地は、佐賀県南西部嬉野町周辺です。
500年以上の伝統を受け継ぐ品であり、現在では蒸し性玉緑茶の生産が盛んに行われているそうです。
深い色つやがあり、味や香りが強いのが特徴。
くまもと茶(熊本県の銘柄)
熊本県はお茶の主生産県のひとつであり、各地で生産されるお茶を総括して「くまもと茶」と呼んでいます。
特に、 蒸し性玉緑茶は全国の生産量の4分の1を占めているとのことです。
全体的にまろやかな味わいが特徴。
五ヶ瀬釜炒り茶(宮崎県の銘柄)
宮崎県五ヶ瀬町は、釜炒り茶の「聖地」。
標高500mで育った茶葉は、コク•旨みたくさん!
釜炒り茶の品質・生産量とも日本一の五ヶ瀬町の味はまさに絶品ですよ^^
かごしま茶(鹿児島県の銘柄)
かごしま茶は鹿児島県で作られるお茶の総称。
明治時代、鹿児島から多種多様なお茶が海外に輸出されていることもあり、お茶の生産が盛んになったとのこと。
煎茶、深蒸し茶などいろいろな種類のお茶を生産しており、 鹿児島県のお茶生産量はなんと全国2位!
「知覧茶」という銘柄を飲んでみましたが、めちゃめちゃ美味しかったです(笑)