お茶を入れるときになくてはならない茶器といえば・・・急須ですね。
お茶の味は、湯の温度や抽出時間で決まると言われますが、急須の形や茶こしの形状でも味や香りは変化します。
それもそのはず、茶葉の旨みや香りを引き出す作業は、その急須の中で行われているからです。
この記事内では、そんな急須に関して、以下の内容をまとめてみました。
- 急須の種類
- 急須の選び方
- お茶をまろやかにしてくれる急須とは
- 急須の手入れや注意したいこと
急須の種類を紹介
まずは急須の種類を紹介します。
急須には、大きく分けて下記の4種類があります。
- 横手型急須
- 上手型急須
- 後手型急須
- 宝瓶
横手型急須
日本の伝統的な急須と言えば、この横手型急須^^
急須の横側に持ち手がついていることから、親指でフタを押さえながら、片手をお茶をいれることができます。
上手型急須
急須の上部に持ち手がついているのが、この上手型急須。
持ち手の素材は、本体の素材と別々であることがほとんどで、竹などの素材が使用されます。
このため、熱々のお湯で本体が熱くなっても安心して持つことができ、上手なので容量が多い場合(重い場合)でも持ち上げやすいのが特徴です。
熱いお湯でさっと入れる「ほうじ茶」「番茶」などによく使用されます。
後手型急須
急須の注ぎ口の反対側に持ち手がついているのが、この後手型急須。
後手型急須は、中国から発祥した形状であり、特に紅茶などに使用されることが多いと思います。
宝瓶
他の急須とは違い、持ち手がついていないタイプがこの宝瓶(ほうびん)。
容量が少ないこともこの急須の特徴です。
これは、宝瓶で淹れるお茶が「玉露」「上級煎茶」といった”低温・少量で入れるお茶”で使用しやすいように設計されているためです。
その他にも、宝瓶に溜まったお湯を、最後の一滴まで注ぎきれることも特徴のひとつであり、玉露などの旨みの多いお茶を余すことなく楽しめます^^
急須の選び方は?お茶をまろやかにしてくれるものも?
- 茶葉の種類
- 急須の容量
- 急須の素材
- 急須の形状
- 茶こしの形状
茶葉の種類
急須を選ぶ際には、自分がどの種類の緑茶を飲みたいのか?から始めましょう。
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特に決まりがあるわけではありませんが、茶葉に対して適切な急須が用意されていることから、なるべく推奨のものを使用したほうがよいと思います^^
茶葉の種類 | 急須の種類 |
煎茶・深蒸し煎茶・かぶせ茶 | 横手型急須 |
玉露・上級煎茶 | 宝瓶 |
番茶・ほうじ茶・玄米茶 | 上手型急須 |
急須の容量
急須の容量は茶葉の種類でおおよそが決まります。
茶葉 | 急須[ml] | 茶碗[ml] |
玉露 | 90 | 50 |
煎茶 | 250 | 100 |
番茶 | 600~800 | 250 |
ほうじ茶 |
注意したいのは、大きい急須で少量のお茶(玉露など)をなるべく入れないことです。
大きな急須で少量のお茶を入れようとすると、温度が必要以上に下がって、本来の味を引き出せなくなることがあります。
また、面積が広いため、お茶がお湯に十分浸からないため、抽出がうまくできないこともあります。
急須の素材
急須を選ぶ際には、素材にもこだわりたいところ。
急須の素材としてポピュラーなのは、陶器と磁器の中間である「炻器(せっき)」という素材。
「炻器」には多くの孔があり、余分な成分を吸収するため、いっそうお茶が美味しくなると言われています。
常滑焼(とこなめやき)
鉄分を多く含む粘土で作られ、酸化鉄の含有量が多く、茶葉に含まれるタンニンと反応して、お茶の味をまろやかにすると言われています。
愛知県常滑市を中心とした地域で作られています。
萬古焼(ばんこやき)
常滑焼と同じく、鉄分を多く含む粘土で作られ、こちらも茶葉の成分であるタンニンと反応することで、渋味をやわらげ旨みを引き立たせると言われています。
三重県四日市市を中心とした地域で作られています。
急須の形状
茶葉が均一に広がる形状がおすすめ
急須の形状は、茶葉をしっかり蒸せるものを選びましょう^^
しっかり蒸すために必要なことは、急須の中で茶葉が均一にお湯に浸ること。
そのためにも底面積が大きく、平丸形の形状の急須はおすすめです。
底面積が大きいと、急須にお湯を注いだ時に、茶葉が均一に広がるため美味しく入れられます。
フタがしっかり閉まるかも確認しましょう
急須の形状では、蓋がしっかり閉まるかも重要なポイントです。
蓋がの閉まりが甘いと、お湯を注いだ時に温度が余計に下がったり、蒸らしにくくなったりしてしまいます。
また持ちあげた時に、ガタガタして使いにくくなることあるので、最初に蓋の様子は確認しておきましょう。
茶こしの形状
急須の中には、網状の「茶こし」があります。
「茶こし」は、急須からお茶を注いだ時に、茶葉が一緒に出てこないような役割を持っています。
この茶こしですが、基本的には「目が細かいもの」がおすすめです。
目が粗い茶こしは、茶葉が詰まってしまうことがあるため、お茶が出にくくなってしまうことがあります。
また、茶葉が残ることで、渋みが強く出ることもあり、お茶の旨みを十分に味わえないことも。
急須のあれこれ
お手入れについて
急須のお手入れは、陶器製であれば使用後に水で流す程度でOK。
ただ、洗う際には「茶こし」に茶殻が残っていないかを確認することが大切です。
茶殻が残ってしまうと、目詰まりの原因となってしまうため、茶こしは常にきれいに保つ意識が大切です。
注ぎ口のビニールキャップはどうする?
急須の注ぎ口に、ビニールのキャップのようなものがついている製品があります。
これは出荷時の保護用プロテクターの役割を持っているため、使用する際にははずしてもらって問題ありません。
急須で入れる際にやってはいけないこと
最後に急須でお茶を入れる際にやってはいけないことを紹介します。
お茶を作る際には、「じっくり蒸らして」作ることが大切です。
このため、茶葉を蒸らしている間は、急須を揺り動かすことはやめましょう。
急須を揺り動かすと、茶葉の旨み成分がたくさん出るのでは・・・
と思われる方も多いと思いますが、実際は旨み成分だけでなく、苦み成分も一緒に出てしまうこともあり、そのお茶本来の味が楽しめなくなる場合があります。