と疑問がある方へ。
お茶には緑茶を始め、紅茶や烏龍茶などがあります。
また、茶飲料の仲間には、麦茶やそば茶などの「茶外茶」と呼ばれる種類もあります。
茶飲料の種類 | ||
茶飲料 | お茶 | 緑茶 |
紅茶 | ||
烏龍茶 | ||
茶外茶 | 麦茶 | |
そば茶 | ||
グアバ茶など |
この記事では、お茶の種類の詳細や、普段よく飲む緑茶の種類についても解説していきます^^
お茶の種類は「緑茶・紅茶・烏龍茶」
緑茶は”お茶”の中のひとつ
”お茶”の定義はご存知でしょうか?
お茶の中にも緑茶や紅茶、ウーロン茶に麦茶など、いろいろな名称を聞いたことがあると思います。
その中でもお茶の定義は『”チャノキ”と呼ばれるツバキ科の緑葉樹の茎や葉を加工して作った飲料』のことを指します。
それ以外の材料で作られた飲料は『茶外茶(ちゃがいちゃ)』と呼ばれます。
『お茶』と『茶外茶』の代表的なものを下の表にまとめてみました。
分類 | 種類 | 原料 |
お茶 | 緑茶 | チャノキ |
烏龍茶 | ||
紅茶 | ||
黄茶 | ||
茶外茶 | 麦茶 | 麦 |
そば茶 | そばの粉 | |
グアバ茶 | グアバ |
お茶の中でも緑茶は”発酵させないお茶”
緑茶を含む”お茶”の中にもいくつかの種類があります。
表で紹介したように紅茶やウーロン茶なども同じく”チャノキ”から作られるお茶の仲間です。
それでは、何の違いがあって”チャノキ”から作られるお茶は緑茶・紅茶・烏龍茶などに分かれていくのでしょう?
ココがポイント
その違いは・・チャノキの茶葉の発酵の度合いで決まります。
茶畑で摘採したチャノキの茶葉は、そのまま放置しておくとどんどん発酵していきます。
この発酵をどのあたりで止めるか?
が緑茶・紅茶・烏龍茶などの分かれ道になります。
発酵レベル | 分類 | 代表的なお茶 |
発酵させない | 不発酵茶 | 緑茶 |
途中段階まで発酵 | 半発酵茶 | 烏龍茶 |
完全に発酵 | 発酵茶 | 紅茶 |
発酵の度合いと、分類名称・代表的なお茶をまとめたのが上の表です。
ココもポイント
緑茶は発酵させないお茶に分類されます。
茶園から摘採した後、すぐに”蒸す”ことで茶葉の発酵を止めます。
(種類によっては釜で炒ることもあります)
完全に発酵させない加工を施すので、分類上は『不発酵茶』と呼ばれます。
烏龍茶や紅茶はわざと茶葉を発酵させて作られるため、『半発酵茶』『発酵茶』などと呼ばれます。
緑茶は発酵させないことで”バランスの取れた風味”を表現できる
ちなみになぜ緑茶は発酵をとめるのか?
これは緑茶に求められる”風味”を表現することと深い関わりがあります。
緑茶は”バランスの取れた風味、あっさりとした味わい”がウリのお茶です。
この風味を表現するには、チャノキに含まれるいろいろな成分をバランスよく抽出してあげる必要があります。
チャノキに含まれる成分としては下記のものが代表的です。
成分 | 風味 |
カテキン | 渋み |
カフェイン | 苦み |
テアニン | 甘み |
グルタミン酸 | 旨み |
これらの成分をバランスよく含んだ茶葉で、緑茶を作るのが理想的です。
ですが、茶葉の発酵が進んでしまうと、カテキンやテアニンなどの成分が減少していきます。
このため、緑茶は摘採後すぐに発酵を止め、成分を逃がさないようにしているというわけです。
緑茶の種類を紹介!
緑茶の分類がわかったところで、緑茶の種類について紹介します。
緑茶の種類に関しては、茶葉の発酵を止める処理は共通ですが、止める方法・茶葉の育て方・発酵を止めた後の処理などで風味が変わります。
一般的な緑茶の種類としては以下のようなものがあります。
それぞれの茶葉の特徴や風味などをまとめました^^
煎茶~最もよく飲まれる日本茶~
緑茶の中で最も飲まれているのが『煎茶』です。
日本茶の実に80%以上を、この煎茶を占めていると言われており、簡単に作れるティーパックやペットボトルなどもほとんどがこの煎茶がベースになっています。
煎茶は日光に当てて育てる
煎茶の育て方の特徴としては、他の茶葉と比べて日光に当てながら成長させることです。
日光にしっかり当てて育てると、より自然に近い状態で育った新芽を使用したお茶になります。
煎茶の茶葉は細く尖った形
煎茶の茶葉は、色合いが濃く、細くとがった形状をしています。
上質な茶葉ほど次のような特徴があります。
- 色合いが濃い
- 縦長に丸まっている
- 厚みが少ない
- 粉や茎が少ない
こういった茶葉は濃厚な味わいが期待できることが多いです^^
また、煎茶独特の甘い香りがするのも特徴のひとつだと思います。
煎茶の味はバランスの整ったさっぱり感
煎茶の風味は、甘味・渋味・苦味のバランスが整った、安定感のある味が特徴です。
これは、日光に当てて育つとカテキンやタンニン、カフェインなどが偏りなく生成されるためだと考えられています。
癖が少なく、誰でも美味しく飲めるお茶として需要は高め。
飲んだ後の爽快感もあり、さっぱり感が強いのも好まれる点だと思います。
また、ほかの茶葉に比べて、ビタミンCが多いのも特徴のひとつです。
深蒸し煎茶~煎茶の甘み足し~
煎茶に少し甘みを追加した味を楽しめるのが『深蒸し煎茶』です。
緑茶の王国、静岡県の7割近くがこの深蒸し煎茶を製造しています。
基本的な育て方は煎茶と同じ
深蒸し煎茶は、基本的には煎茶と同じような育て方・加工を行います。
ただ、『深蒸し』と名付けられているだけあって、”蒸し時間”を煎茶よりも2~3倍長くしたものになります。
この長さに明確な基準はなく、地域によってばらつきがあります。
また、煎茶で使用する茶葉よりも”肉厚”な茶葉を使用する傾向があります。
深蒸し煎茶の茶葉には粉も混じっている
深蒸し煎茶の茶葉には、煎茶と同じような茶葉の他に、粉状のものが混じっています。
これは、蒸し時間を長くしたことよって、茶葉が柔らくなり、製造中に葉が細かくなるためです。
深蒸し煎茶の味は煎茶より少し甘め
深蒸し煎茶は、煎茶と比較すると少し甘めの味がします。
蒸し時間を長くすると、渋みが抑えられ、甘みが増す方向に変化するためです。
ただ、飲んだ後の爽快感や香りが弱くなります。
葉が細かいため、濃い緑色になり、水道水でも美味しく飲めるのも特徴のひとつです。
玉露~最高級の緑茶~
最高級の緑茶とはいえば『玉露』です。
希少性や栽培の手間などから、販売価格は高めのものが多くなります。
福岡の八女茶、京都の宇治茶、静岡の岡部茶などが有名どころ。
玉露は日光に当てずに育てる
玉露は、煎茶とは逆で”日光に当てずに”育てます。
芽が出て2~3週間後の新芽に、日光を遮る麻や綿性の布を被せる方法が一般的です。
また、成長した後は、手摘みでひとつひとつ丁寧に摘採されるため、生産量も少なく高価になります。
玉露は甘みと香りが強くなる
玉露は、煎茶よりも香りと甘みが強くなります。
玉露独特の強い香りは、覆いを被せて育てることで『覆い香』と呼ばれる香りが発生するためです。
また、日光に当てずに茶葉を育てると、渋み成分の”カテキン”が少なく、甘み成分の”テアニン”が多くなる傾向にあります。
このため甘みが強い味になります。
高級なものは水色が青白く、緑色の飲料を想像している方にとっては、『これに味があるの?』と思ってしまいがちですが、いざ飲むとその濃厚な味に驚かれるのではないかと思います^^
かぶせ茶~ちょっといいお茶を飲みたいときに~
ちょっといいお茶を飲みたい・・
そんな時に『かぶせ茶』はおすすめです^^
煎茶と玉露の良い面を両方持っているかぶせ茶。
生産量が最も多いのは三重県で、他にも福岡、京都、静岡、熊本など、西日本でよく見られます。
基本的な育成方法は玉露と同じ
かぶせ茶の育て方は、基本的には玉露と同じく日光に当てずに育てます。
ただ、遮光の期間と遮光率が玉露と比べて5割程度に抑えられます。
かぶせ茶は煎茶と玉露のいいところを持つ
かぶせ茶は、その育て方から煎茶と玉露の両方の特徴を持ちます。
玉露の持つ”覆い香”があり、しっかりとした甘みが出ます。
それでいて煎茶のすっきりした爽やかな味わいも楽しめるため、かなりおトク感があります。
品質が良いものほど艶やかで青みのある、透き通った色をしており、甘みもぐっと増します。
抹茶~茶道から和スイーツまで~
茶の湯には絶対欠かせないのがこの『抹茶』。
戦国武将が愛したお茶としても知られており、近年は和スイーツやグリーンティーなどでも注目されています。
また、茶葉そのものを摂取できることから、他の緑茶と比較するとたくさんの栄養分を摂取することができるため、健康面でも一役買っています。
抹茶も日光に当てずに育った茶葉を使う
抹茶で使用する茶葉は、玉露と同様に”日光に当てずに”育てた茶葉になります。
玉露との大きな違いは、茶葉そのものを石臼(茶臼)で細かく砕く加工方法です。
このため、写真にもあるように抹茶の茶葉がは『粉末状』になっています。
抹茶の甘みがおいしい
日光に当てずに育てているため、玉露と同じく渋み控えめ・甘みが強い味になります。
特に抹茶の甘みは濃厚で、一度飲むとファンになる方も多いのではないでしょうか^^
上質なものほど甘みが強くなっています。
ほうじ茶~食後のお茶といばこれ~
食後のお茶と言えばこの『ほうじ茶』ではないでしょうか^^
ほうじ茶はその飲みやすさから、ペットボトル飲料などでも見かけることが多くなりました。
煎茶と比較すると安価に手に入るのも、ひとつの魅力だと思います。
ほうじ茶は茶葉を焙煎して作られる
ほうじ茶は番茶(もしくは煎茶)を強火で焙煎し、茶葉の色が変わるまで火を通して作られます。
焙煎した茶葉は、本来の緑色から茶色に変わり、香ばしい香りが漂うようになります。
番茶を焙煎したものが一般的ですが、一番茶の遅い時期の葉を原料に用いた上質なものもあります。
ほうじ茶の魅力はあっさり味&香ばしい香り
ほうじ茶は、焙煎して作られるため”カフェイン”や”カテキン”などの成分は抜けていきます。
その結果、甘みや渋みをほとんど感じない、あっさりとした味に仕上がります。
カフェインなどの成分が少ないことで、胃腸に負担をかけずに飲めることでもよく知られています。
また、茶葉を焙煎すると、独特の香ばしい香りがでます。
この香りとあっさりとした味がほうじ茶の魅力かと思います。
棒茶・茎茶~実は甘みが茶葉より多い~
棒茶・茎茶は”あまり知られていない激うまなお茶”・・・だと思っています(笑)
他の緑茶と比べると、少しマイナーかもしれません。
ですが最近では、石川県の加賀棒茶などが有名になり、少しずつファンになる方も多いとのこと。
棒茶・茎茶の原料は茶葉以外の部分
棒茶・茎茶は、茶葉の硬い柄部分や若い茎を原料にして作られています。
茎茶はその名の通り、茎の部分を使用しています。
棒茶はその茎を炒ることで、香りを高めて作られています。
棒茶・茎茶の原料は茶葉以外の部分
実はあまり知られていませんが・・・
ココがポイント
葉よりも茎の方が甘み成分である『テアニン』が多いのです!
そのため味は濃厚、特に甘みが強く仕上がる傾向にあります。
また、ほうじ茶と同じくアロマ系の香りがするため、茶香炉などで焚くとリラックスすることもできます。
高級なものは「雁が音」「白折」と呼ばれる
同じ原料でも、玉露用に栽培した茶葉や、上級茶用の早摘み茶葉の茎を使用して作った茎茶は「雁が音(かりがね)」「白折(しらおれ)」と呼ばれます。
上客のもてなし等に使用されることもあるほど、高級なお茶として扱われています。
番茶~昔から庶民に親しまれてきたお茶~
『番茶』といえば、昔から庶民に親しまれてきたお茶かと思います。
お茶を作る上で不要な部分を集めたものの総称を『番茶』と呼びますが、その種類はさまざま。
- 1年の後半に摘採する三番茶・四番茶を使って作るお茶
- 製造途中に状態が悪く、あぶれた茶葉を使って作るお茶
- ほうじ茶や棒茶を番茶と呼ぶ地域もある
などなど・・お茶屋さんや地域によって、作られる番茶は変わります。
番茶は刺激物が少ない
番茶は刺激物が少ないお茶として知られています。
三番茶・四番茶などは、一番茶・二番茶と比較すると栄養が少ないですし、地域によってはほうじ茶のように、焙煎を行うため茶葉に含まれる成分が抜けます。
地域特有の香りなどを楽しみながら、体に優しく飲めるのが番茶の魅力だと思います。
カフェインが少ないことから、乳児や妊婦さんに好んで飲まれる傾向にもあるようです。
玄米茶~香ばしさと優しさのお茶~
香ばしいお茶といえばこの『玄米茶』かと^^
ほうじ茶と同じく、最近ではペットボトル飲料で取り扱うケースも増えてきました。
刺激物も少なく、ノンカフェイン飲料として提供しているメーカーもあります。
玄米茶は茶葉と玄米が混じっている!
玄米茶は番茶(もしくは煎茶)を焙煎したものに、炒った玄米と塩を加えて作られるお茶です。
茶葉に比べて、玄米が50%以上入っているものが多く流通しています。
香ばしい香りと体への優しさが魅力
玄米茶の魅力は何と言っても”香ばしい香り”
番茶やほうじ茶も独特な香りを持ちますが、”香りの香ばしさ”は玄米茶が一番強いのではないかと思います。
また、成分がそれほど多くない茶葉を使用していることや、玄米が半分以上を占めることから、お茶特有の成分が少ないことも特徴のひとつです。
ノンカフェインのお茶として扱われることもあるほど、カフェインなどの含有量は少な目です。
釜炒り茶~勾玉のような茶葉~
”勾玉のような形をした茶葉”といえば釜炒り茶。
非常に希少な緑茶であり、『釜炒り制玉緑茶』とも呼ばれます。
緑茶で唯一”釜で炒る”茶葉
釜炒り茶は、発酵を止めるための処理として、緑茶の中で唯一『釜で炒る』処理を施します。
釜で炒った後は、葉の形を整える工程を省いて作られるため、茶葉が勾玉のようにカールした形をしています。
日本ではあまりない処理方法のため、釜炒り茶そのものの希少性がかなり高いです。
釜炒りゆえの独特な香り
釜で炒った茶葉は、青臭さが消えて独特の香り『釜香(かまか)』が出ます。
その落ち着いた香りのファンになる方も多く、釜炒り茶が生産されている九州地方では好んで飲まれる方も多いようです。
味は煎茶とそれほど大差はなく、バランスの取れたスッキリした味を楽しめます。
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